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自由主義と共産主義の間、グローバリズムとナショナリズムの間の今は何処? <外道たちの最中で> 切ない事情 
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Posted by - 2025.05.05,Mon
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Posted by 残心 - 2016.08.28,Sun
本当に悪い奴だったのですね・・・「デフレ」・・・!!

 
【藤井聡】改めて宣言します。デフレこそが諸悪の根源です。
  (三橋貴明の「新」日本経済新聞)

《 勝手に要約 》
このグラフは、主要各国の名目GDPの推移を示しています。かれこれ5,6年前にはじめて作ってみたのですが、その当時ですら、デフレのせいで日本がどれだけ、国際的地位が凋落しているかがありありと分かったのですが、この度改めて作ってみて、さらに事態が悪化しているのを確認し、暗澹とした気分になってしまいました。

ご覧の様に、90年代後半まで、日本のGDPはアメリカや欧州と並べても、それほど遜色ない水準の経済力を持っていたのですが、90年代後半に日本がデフレになり、成長出来なくなってしまいます。一方で、世界各国は順調に成長していきます。

そして今となっては、取り返しのつかない程の大きな格差がついてしまいました(ちょうど、東京と大阪の間の格差の様な感じですね 苦笑)。

日本の経済力(名目GDP、あるいは、国民の所得)は既に、

  中国とは「2倍」、
  アメリカとは「4倍」、そして、
  ヨーロッパとは「5倍」、

もの埋めがたい格差がついてしまったのです。

そして、全世界GDPに占める日本のGDPはかつては18%(1998年時点)もあったものの、2014年にはその三分の一程度の5.9%にまで縮小してしまったのです。

つまり、かつては、日本と言えば「侮り難い経済大国」と世界中から思われていたとしても、今となっては取るに足らないつまらない中小国に成り下がりつつある――という次第です。


《 勝手に要約 》
これは、実質賃金(つまり、物価の低下を加味した上で、実際上、どれだけのモノしか買えなくなっているのか….を示す賃金)の推移です。

ご覧のように、デフレに突入した1998年から、日本人の実質賃金は減り続け、今となっては、かつての1割以上もモノが買えない国民になってしまっているのです(なお、このグラフからも明らかなように、2014年の増税によって、実質賃金はかつて無い程に急激に低下しています。増税が事態を深刻化させたのです)。

・・・

さらに言うなら、最近、TVのニュースの解説を毎週やっていて、毎週しみじみと感じていたのですが。。。。ほとんど全ての現在の「事件」「ニュース」の背後には、デフレの問題が大きく横たわっているのが実情なのです。

もちろん、それぞれの問題には固有の事情があることは間違いありません。しかし、「大局的」な視点から眺めれば、デフレがあらゆる問題の背後の背後に大きく横たわっている様がありありと見て取れます。物事を「大局的」に眺めて考えてみるのは、しばしば少々骨の折れる作業となってしまう時があるのですが、是非、下記の各項目を、頭を柔軟に柔らかくして考えてみてもらいたいと思います。

【待機児童問題】 昨今話題になっている待機児童問題。もしもデフレがなくて国民所得が高ければ、わざわざ共働きをしないという女性も増え、待機児童それ自身が少なくなる。しかも、GDPが高ければ当然、税収も多いのだから、保育園をたくさんつくることもできる。だから、待機児童の問題そのものが、デフレがなければあっと言う間に無くなってしまうことは十分にあり得るのだ。

【介護問題】 昨今では「介護」の現場で、高齢者達が介護士達に「虐待」を受け、最悪のケースでは「殺害」までされるような事件が発生している。これについももしもデフレがなく、GDPが高ければ、政府はより多くの税収を得ることができるから、より良質な介護施設をつくり、介護士の給料を高くすることができたはずだ。同じく、介護の依頼者の所得も高いだろうから、介護士の給料も上がっていったはずだ。そうなると、より良質な介護士が介護をする、という状況が生まれていき、虐待をするような悪質な介護士達を現場から排除していくことも可能となるだろう。

【スキーバス事故(安全問題)】 先日、スキーバスの事故による15名の命が失われる、という痛ましい事故が起きた。この事故もまた、デフレが重大な背景要因になっていたことは間違い無い。そもそも、この事故は、素人に近い運転手がスキーバスを運転していたから生じたと言われている。なぜそのような運転手が雇われていたのかと言えば、バス会社がデフレで儲からず、まともな運転手を雇うことが出来ないバス会社が増えていったからであった。もしもデフレさえ無ければ、バス会社は十分な給料を用意でき、結果、多くの人々が運転手を希望し、不適格な運転手は早晩排除されていったはずなのだ。

【シャープ身売り問題(日本メーカーの衰退問題)】 より経済に直結する問題に着目するなら、最近では、シャープが台湾企業であるホンハイに買収されるという、日本国民としては複雑な心境にならざるを得ない事態が生じた。これもまた、デフレの帰結と言わざるを得ない。もしも日本がデフレにならず、成長し続けていたのなら、日本人はより多くの買い物をし続けた。結果、シャープの収益も確保され、「身売り」しなければならない程の事態には陥らなかったことは明白だ。

【東京一極集中・地方衰退問題】 一方で、東京一極集中の問題もまた、デフレが産み出した問題だ。もしも、デフレがなければ、あらゆる企業の業績が良質なものとなる。そうなれば、別に東京に進出しようとしなくても、地方として十分にビジネスが成立することとなる。ところが、デフレになり、ビジネスが厳しくなれば、巨大マーケットを抱える都会でしかビジネスが成立しない、という状況になる。その結果、デフレが深刻化すればするほどに、地方が衰退する一方で都会への一極集中、とりわけ東京一極集中が進行してしまうのだ。

【防災・教育・防衛力等(行政サービス劣化問題)】 さらには、インフラの老朽化問題や防災問題、学校教育の質的劣化の問題など、政府の行政サービスが十分に高ければ緩和されている問題はいずれも、デフレがその重要な背景要因となっている。そもそもデフレだからこそ、税収が減り、結果として、十分な行政サービスが出来なくなっているのである。
 なかでもとりわけ深刻なのが、防衛力だ。日本の防衛費はGDPのおおよそ1%程度を推移している。だからデフレにならず、世界(あるいは、欧米諸国と同等の)の趨勢でGDPが推移していたとすれば、日本のGDPは2倍や3倍になっていたはずだ。

【政府の借金問題(累積債務問題)】 もしもデフレがなければ、GDPは年々成長していき、その結果、税収も毎年拡大していった。しかしデフレになったことで、GDPは衰退し、そのあおりを受けて税収も大きく落ち込んだのである。税収のピークは1990年の60兆円だったのだが、それがデフレのために大きく低下、最悪の時には20兆円以上も縮小し、2009年には39兆円にまで落ち込んだのである。一方で、社会保障費等は年々増えていったのだから、政府の借金が増えていったのも無理からぬことだったのだ。

【少子化問題】 さらには、少子化の問題も、デフレがなければさらに「緩和」していたことも間違い無い。もちろん、少子化の原因には多様なものがあるが、その中の最も重要な要因の一つが経済問題である。所得が低ければ、何人もの子供をもうけることができない。せいぜい一人か二人しかもうけられない、という事になる。一方で、所得が高ければ、三人、四人ともうけることができる。というかそれ以前に、所得が低ければ働き続けなければならず、結婚するチャンスが遠のき、なかなか結婚できない、ということにもなる。

【外交問題】 最後に、さらに別の角度から言うなら、デフレさえなければ、北方領土問題もまた、全く違った展開を見せていた事も間違い無い。そもそもかつては日本はヨーロッパ全域や、アメリカとほぼ「互角」と言える水準の経済力を持っていた。しかし今や、日本はアメリカの四分の一、ヨーロッパの五分の一にまで凋落した。そしてかつては日本の敵ではなかった中国に負い抜かれ、今や中国の半分程度の経済力にまでなってしまった。
 そんな「経済小国」、ロシアとしても重視しなくなったとしても致し方なかろう。だからデフレさえなく、世界のGDPシェアを維持し続けることができていたなら、北方領土を巡る情勢は、今とは全く異なったものとなっていたことは、間違いない。

 ――以上、いかがでしょうか。

例えば、自分の家庭が急激に貧しくなれば、教育も娯楽も住まいも付き合いも、何もかもオカシクなっていったとしても致し方ないですよね。今の日本はデフレによってまさにそのような状況に陥ってしまったのです。

「貧すれば鈍する」――日本がデフレのせいで貧しくなったことで、全ての歯車が狂い始めたのです。

だからこそ、あらゆる政治課題の中でもデフレこそが、最重要な課題となっているのです。

改めて現実を見せられると、絶句。 何も言えねえ・・・。
こんな情報こそ新聞で見たいもんだね。

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