以前から言われていた「中国経済の崩壊」がいよいよ本格的に始まったようである。
・中国金融機関への救済融資が始まった。 あの長銀と日債銀の時代!!
(おゆみ野四季の道 新)
『 思わず笑ってしまった。中国の中央銀行である人民銀行が傘下の金融機関に9月と10月に約12兆6千億円の資金供給をしたと、中国ウォッチャーの宮崎正弘氏がレポートしていたからだ。
資金供給とは体のいい金融機関救済である。
かつて日本でも日銀が懸命に金融機関を支えていた時期があった。不動産投資に失敗した長銀や日債銀や拓銀が倒産した1990年後半から2000年始めのころの話だ。
日本では約18兆円の公的資金を投入し(胴元はもちろん日本銀行)そのうち10兆円は返済されたが8兆円は踏み倒され、長銀と日債銀は解体されて二束三文でアメリカの投資家に売却された。
当時はどこの金融機関の資金繰りもひっ迫していて私が勤務していた金融機関は相対的に経営が安定していたので他行の救済を日銀と共同で行っていたものだ。
地下室に膨大な量の有価証券が運び込まれたが、これは救済を要請してきた金融機関が保管していた有価証券でそれを担保に救済融資をしていた(一般金融機関は日銀のような無担保貸し出しはできない)。
有価証券の量は半端ではなく金庫に入り切れないほどだったのを思いだす。
日本にとって不動産バブル処理の約10年間だったが今それを中国の金融機関が行っている。金融などというものは中国であろうと日本であろうと同じようなもので、貸した金が回収されなければ資金繰りに支障が発生する。
中国では作ったはいいが全く売れないマンションが林立しており、これを地方政府が実質的なオーナーになって建設してきた。また鉄鋼等の国有企業は在庫の山を築いている。
「金がないんだから返済できん。それともあんたらは地方政府や国有企業をつぶすのか!!」
こうして金融機関は不良債権の山を築いて長銀や日債銀になってしまった。
「どうにもなりません、人民銀行さん、この不良債権に見合う額の融資をしてください」
中国の金融機関は国営だからつぶすわけにはいかず、人民銀行は銀行の救済融資に乗り出している。
13年度までは預金準備率の引き下げで対応していたが十分引き下げてしまったのでこれ以上は引き下げられず、直接の救済融資になった。
今回は約13兆円の救済融資だが、実際どれだけ必要になるのかは誰にも分からない。
それは当然で景気が回復しマンションが売れだせば不良債権が一気に優良債権になってしまうし、その反対に景気が後退すれば不良債権がますます増える。
「GDPは毎年7.5%は上昇しているのに何でマンションが売れないいんだ」
中国の統計は政治的数字だから、GDPと景気は乖離してしまうので統計数字を見てもわからない。
この救済資金は貸出対象ではなく焦げ付き債権の見合いだから、成長資金の原資にはならない。中国金融は完全に後ろ向きになっており、かつてのようなイケイケドンドンの時代が終わったことが誰の目にも明らかになってきた。
不動産バブルが崩壊した後の景観はどこも同じで、日本の1990年後半の金融機関の後始末やアメリカのリーマンショック後の姿を見れば想像がつく。
このバブルの崩壊で中国が世界の経済をけん引していた時代は終わった。 』
中国では経済問題を含めて、ウイグル・チベットに加えて香港の扱いなど、統治や国家運営の根本問題が破綻する最終局面を迎えようとしているようである。
中国人が自分たちで言うように、「中国よりも日本の方が社会主義的」(福祉が充実し、国民が平等)であるならば、共産主義は存在意義を失っているし、中国はいまや誰のための存在なのか分からない。
今後良くなる可能性がないならば、後は「如何にソフトランディングするか」だけである。
中国でなるだけ人が死なずに、他国に迷惑をかけずに、新秩序を築けるか。
これは相当難問になるに違いないでしょう。
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