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自由主義と共産主義の間、グローバリズムとナショナリズムの間の今は何処? <外道たちの最中で> 切ない事情 
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Posted by 残心 - 2016.02.29,Mon
「鎌倉幕府の崩壊は元寇とは因果関係がない」
建武の中興と田分けのお話  (ねずさんのひとりごと)

《 勝手に要約 》
ではなぜ鎌倉幕府が崩壊したかというと、それには別な理由があります。
相続制度です。

鎌倉武士たちの相続制度は、いまの日本と同じ均等配分方式です。
子供が5人いれば、財産は5等分されます。
実はこのことは、はたいへんな問題をはらんでいます。

鎌倉武士というのは、先に書きましたように、もともとは平安時代に生まれた私有地(新田)の開墾百姓です。
それが長い年月の間に、広大な領地を保有するようになりました。
彼らはその領地で、一族郎党を養い、その領土を武家の棟梁(とうりょう)である幕府に安堵してもらうという御恩を受け、その御恩に対するお礼として、一朝ことあればいざ鎌倉へと出陣する、つまり「御恩と奉公」の関係を持っていました。

その領地は、それぞれの武家の「」を単位にまとまっています。
ですから子がいなくて「家」がなくなってしまっては、安堵してもらう領地があっても、安堵してもらう人がいなくなるわけですから、一族郎党が土地を失い、みんなが飢えてしまいます。
つまり彼らにとって、子を残すということは、たいへん重要なことだったわけです。

ところが昔は、子供は、たいへんよく死にました。
いまでこそ、一人っ子でも、ほぼ全員が成人を迎えることができますが、ひとむかし前までは、子が成人できるということ自体が、めずらしいことといってもいいくらい、たいへんなことでした。

江戸時代の後期、桜田門外の変で殺害された大老・井伊直弼は、井伊家の十四男坊です。
長男が家督を継ぐ時代に、なぜ十四番目の男の子が家督を継いだかといえば、別に彼がとびきり優秀だったからということではなくて、一番めから十三番目までの井伊家の子たちが、みんな病没したからです。

それくらい昔は、子を大人に育てるのはたいへんなことだったのです。
だから子供が三歳、五歳、七歳になると、よかったよかったといって、お祝いをしたのが七五三です。

まして鎌倉時代が崩壊した頃というのは、井伊直弼の時代より六百年も昔です。
子が成人するだけでも困難な時代に、御家人たちが家を保持するためには、それなりに子をたくさんもうけなければなりません。
当然子だくさんになる。
その中で、生き残って成人した幾人かが家督を相続します。
ところが、ここでの相続が、実は「均等配分方式」だったのです。

するとどうなるかというと、仮に百人を養えるだけの土地があり、子が二人だったとすると、最初の相続では、子が二人なら、50,50に土地が分割されます。これが二代目です。
三代目になると、25になります。
四代目になると、12.50
五代目になると、 6.25
六代目になると、 3.00
七代目になると、 1.50
八代目になると、 0.75
つまり、七代目にはもう夫婦で食べて行くことすらできず、八代目になると、自分ひとりさえも食べられない。家が崩壊してしまうわけです。

この時代、元服も結婚も早かった時代ですから、一世代はおよそ20年で交替しています。
つまり20年×7代=140年で、見事財産が崩壊します。
実際、鎌倉幕府は数式通りに141年目に崩壊しています。

田んぼを均等に分けて財産相続することで、、国を滅ぼし、家を滅ぼすことを、後年の人は嗤って、これを「田分け(たわけ)」と呼びました。
よく時代劇などに出て来る「たわけものめがっ!」の「たわけ」です。

鎌倉幕府は、こうした相続制度の欠陥による御家人たちの窮乏に対し、開幕から105年目の1297年(相続四世代目)のときに、「徳政令」といって、御家人たちの借金帳消し令を発布しています。
けれどこれは今風に言えば、破産宣告です。
現代社会でもそうですが、破産宣告を受けたら、もう借金はできません。
「田分け」によって、借金しなければ生活できないのに、借金ができないのです。
これはたいへんなことです。
こうして鎌倉幕府は、政権運営主体としての信用を落とし、結果として1333年に崩壊してしまうわけです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
平等と 思って始め 崩壊へ   鎌倉幕府の相続制度は愚か
家長制 家を守って 国安定   制度として優秀 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「平等」というと良さそうな印象だが、最近は行き過ぎた平等、「悪平等」が流行なようだ。
これが増えると、窮屈でノビノビできない世の中になる。
自己主張が当然で、親切や優しさは報われない。
そしていつか爆発するかも・・・。

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